日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
リツキシマブ単回投与後B 細胞枯渇中に再発した難治性ネフローゼ症候群の臨床的特徴
亀井 宏一佐藤 舞村越 未希鈴木 竜太郎釜江 智佳子金森 透西 健太朗小椋 雅夫
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2020 年 33 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

難治性ステロイド依存性ネフローゼ症候群137 名への375 mg/m2 単回のリツキシマブ440 投与後のB 細胞枯渇中の再発の臨床的特徴について調査および解析を行った.B 細胞枯渇中の再発は19 名で25 回(5.7%)認め,44%が14 日以内の発症であった.B 細胞枯渇中再発症例は,B 細胞枯渇中無再発症例と比較して,性差,初発時年齢,リツキシマブ投与時年齢,組織,ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の既往などに有意差はなかった.Infusion reaction との関連も見出せなかった.B 細胞枯渇中に再発した症例の2/3 でその後ステロイドを中止でき,リツキシマブは有効であった.リツキシマブ投与後2 週間程度は,ステロイドの量を再発させないレベルに留めておくのがよいと考える.投与後早期に再発しても,リツキシマブが無効であるとはいえず,本質的にB細胞枯渇中無再発例と変わりはない.B 細胞枯渇中の再発のリスクファクターは見出せず,予測は困難である.

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© 2020 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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