日本小児腎臓病学会雑誌
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症例報告
持続血液透析により救命し得た臍帯潰瘍に伴う急性腎障害の 1 例
川上 雄平平野 大志徳永 愛武政 洋一梅田 千里三輪 沙織掛川 大輔山田 哲史伊藤 亮井田 博幸
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2020 年 33 巻 2 号 p. 169-174

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抄録

1991 年以降,臍帯潰瘍と先天性上部消化管閉鎖の関連についての報告が散見されており,臍帯潰瘍からの出血による死亡例や重篤な後遺症を残した症例報告も存在する.しかし,出血を来すと救命が非常に困難となる本疾患について,周産期分野での認知度はまだ低く,腎病理学的検討もなされていない.今回我々は,臍帯潰瘍からの出血を来していたが,早急な腎代替療法の導入により救命でき,最終的に腎代替療法を離脱した新生児例を経験したので報告する.本症例では合併症である先天性十二指腸閉鎖症に対する手術の際に腎組織の採取も行い,病理組織像より臍帯潰瘍による急性腎障害が循環不全に伴うものであると判明した.臍帯潰瘍からの破綻出血は致死的であるが事前予測は困難である.したがって,救命率の向上には周産期分野での認知度の向上と腎代替療法を含む集学的医療を提供できる環境の整備が必要である.

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© 2020 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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