2022 年 35 巻 1 号 p. 1-3
2019年11月,中国の武漢に端を発するSARS-CoV-2感染によるCoronavirus disease 2019(COVID-19)は瞬く間に全世界に広がり,パンデミックと化した.その後,2年近くの時間が経過し,COVID-19と腎臓病とに関する情報が蓄積してきている.日本からのものを含めたコホート研究において,入院時の血清クレアチニン高値はCOVID-19重症化のリスク因子であったが,この血清クレアチニン高値が慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)によるものかは明らかではなく,保存期CKDがCOVID-19の重症化リスクであるかは未確定である.一方,COVID-19は急性腎障害(acute kidney injury: AKI)のハイリスク病態であることが明らかとなり,今後も十分な注意が必要である.