原発性シェーグレン症候群を背景とした重症尿細管間質性腎炎に耐糖能異常を合併した14歳女児.初診時HbA1c 6.4%, HOMA-IR (homeostatic model assessment for insulin resistance) 3.4とインスリン抵抗性(insulin resistance: IR)が増大していた.原疾患に対する治療としては標準的にステロイド治療を選択したが,一方で耐糖能異常の増悪が懸念された.しかし実際にはステロイドパルス療法を含めた免疫抑制治療により,原疾患とともに耐糖能異常は速やかに改善した.慢性腎臓病,間質性腎炎を主座として,尿細管におけるインスリン受容体の発現低下や,慢性炎症に伴うインスリン抵抗性増大が経過に関与していたと考えられた.本症例のように腎疾患に合併した耐糖能異常の場合,原疾患に対する治療により耐糖能異常の改善が期待できる.