2025 年 38 巻 論文ID: cr.25-004
無症候性蛋白尿に対して腎生検を行い,微小変化像でありrenin-angiotensin system(RAS)阻害薬にて改善がなく,CUBN遺伝子異常による慢性良性蛋白尿と診断した2例を経験した.RAS阻害薬中止後も蛋白尿の増加なく,最終観察時点で腎機能障害は認めていない.無症候性蛋白尿で病理像が微小変化であっても,RAS阻害薬で蛋白尿が改善しない症例は,不要な治療を回避し腎予後を予測するためにも積極的に遺伝学的検査を行うべきであると考える.