抄録
平成3年~5年の3年間における鳥取県 (平成3年10月1日現在615,258人,15歳未満の小児人口115,344人) での小児期のネフローゼ症候群,急性糸球体腎炎,腎生検を施行した症例,アレルギー性紫斑病 (平成4年から実施),溶血性尿毒症性症候群 (平成4年から実施) の症例を集計した。ネフローゼ症候群25例,急性糸球体腎炎31例 (溶連菌感染後27例),腎生検施行例59例 (初回腎生検の慢性腎炎30例),アレルギー性紫斑病30例,溶血性尿素症性症候群6例が集計された。
小児人口10万人あたりの年間発生数はネフローゼ症候群7.2人,急性糸球体腎炎9.0人 (溶連菌感染後7.8人),腎生検施行例17.1人 (初回の慢性腎炎8.7人),アレルギー性紫斑病13.0人,溶血性尿毒症性症候群2.6人であった。ネフローゼ症候群は定説より多発の傾向を認め,今後の推移が注目される。