抄録
クオンティフェロンTB-2G (QFT) が診断に有用であった結核性胸膜炎の一男児例を経験した。症例は6歳男児で, 発熱を主訴に受診し, 胸部レントゲンにて右大量胸水を認め入院した。胸水は一般細菌および抗酸菌の塗抹・培養・結核菌PCR陰性で, 胃液の抗酸菌塗抹・培養・結核菌PCRも陰性であったが, QFT陽性より結核性胸膜炎と診断し, 抗結核療法 (2HRZ/4HR) を開始したところ自他覚所見や検査所見は速やかに改善した。QFTの小児における臨床的有用性は現段階では明確になっていないが本例のように結核菌の証明が困難な症例において, 陽性と判明した場合の診断的意義は非常に大きいと考えられる。また, QFTはBCG接種の影響を受けないので, BCG接種を奨励しているわが国においてはツベルクリン反応以上に結核の診断に有用な場合があると考えられる。