当院で診療を行った小児結核発症例, 接触者検診例, コッホ現象疑い例など89例 (163検体) を対象にツベルクリン反応検査, 画像検査などと共にクォンテイフェロン
®TB-2G (QFT) を施行した。発症例に関する検討から, QFTは初期変化群肺結核症例を含む小児結核発症診断においても感度の高い有用な検査方法であることが明らかとなった。また, 感染危険度の高い検診例におけるQFT反応性や全例におけるMitogen刺激に対するIFNγ産生応答に関する検討などより, 乳幼児では年長児や成人に比してQFT反応性が低く, 感染例においても陰性を呈する可能性が示唆された。小児例, 特に乳幼児における結核感染診断においてはQFT結果のみならず感染源への暴露状況に関する詳細な情報収集, BCG接種歴, ツ反結果, さらに一次肺結核症例の進展様式を念頭においた詳細な胸部画像読影により慎重に判断する姿勢が重要であると考える。
抄録全体を表示