日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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18 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 川崎 一輝, 遠藤 美紀
    2007 年18 巻2 号 p. 123-126
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    肺葉性肺気腫を呈した左気管気管支の1例を経験した。左気管気管支は気管支分岐異常の一つであり, 左上葉の区域気管支の一部が左主気管支から直接分岐するものである。隣接する肺動脈からの圧排によって気管支狭窄をきたし, 末梢肺の過膨張をひき起こすことがあるが, 報告例はほとんどない。診断上, 気管支閉鎖との鑑別が重要であり, 確定診断には胸部CTと気管支内視鏡検査が有用であった。左上葉は肺葉性肺気腫の好発部位であり, 診断の手順としては, まずCTを行って肺病変の拡がりと中枢気道の情報を把握し, 気管支狭窄か気管支閉鎖が疑われれば, 気管支内視鏡検査を含めた精査を行うことを推奨する。
  • 徳永 修, 濱谷 舟, 宮野前 健, 樋口 一恵, 原田 登之
    2007 年18 巻2 号 p. 127-136
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    当院で診療を行った小児結核発症例, 接触者検診例, コッホ現象疑い例など89例 (163検体) を対象にツベルクリン反応検査, 画像検査などと共にクォンテイフェロン®TB-2G (QFT) を施行した。発症例に関する検討から, QFTは初期変化群肺結核症例を含む小児結核発症診断においても感度の高い有用な検査方法であることが明らかとなった。また, 感染危険度の高い検診例におけるQFT反応性や全例におけるMitogen刺激に対するIFNγ産生応答に関する検討などより, 乳幼児では年長児や成人に比してQFT反応性が低く, 感染例においても陰性を呈する可能性が示唆された。小児例, 特に乳幼児における結核感染診断においてはQFT結果のみならず感染源への暴露状況に関する詳細な情報収集, BCG接種歴, ツ反結果, さらに一次肺結核症例の進展様式を念頭においた詳細な胸部画像読影により慎重に判断する姿勢が重要であると考える。
  • 石川 信泰, 会沢 治朗
    2007 年18 巻2 号 p. 137-141
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    気道感染症の起因菌としてインフルエンザ菌 (Hi) は1位を占めるが, 多くは無莢膜株による。化膿性髄膜炎などの起因菌であるHi莢膜株血清型b (Hib) も気道感染症の原因になりうる。今回気道感染症におけるHibの関与について検討した。2006年4月から2007年3月までに小児の喀痰, 鼻咽腔, 後鼻漏など気道由来検体から分離されたHi435株中32株 (7.4%) がHibであった。気道感染症の起因菌に限るとHi175株中9株 (5.1%) がHibであった。Hib32株の薬剤感受性では7株 (21.9%) でβ-ラクタマーゼ産生能陽性であり, BLNAR株・BLNAI株があわせて3株 (9.4%) あった。Hibの薬剤感受性の結果は無莢膜株とやや異なった。気道感染症においても5%程度でHibが起因菌となっており, Hibが飛沫感染により周囲への伝播することを考えるとHib重症感染症発症への関与は大きいと考えられる。Hibワクチンが近々使用可能となるが, 積極的に接種を行っていく必要があると考える。
  • 舟井 優介, 塚本 浩子, 川上 智子, 井上 壽茂
    2007 年18 巻2 号 p. 142-147
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    クオンティフェロンTB-2G (QFT) が診断に有用であった結核性胸膜炎の一男児例を経験した。症例は6歳男児で, 発熱を主訴に受診し, 胸部レントゲンにて右大量胸水を認め入院した。胸水は一般細菌および抗酸菌の塗抹・培養・結核菌PCR陰性で, 胃液の抗酸菌塗抹・培養・結核菌PCRも陰性であったが, QFT陽性より結核性胸膜炎と診断し, 抗結核療法 (2HRZ/4HR) を開始したところ自他覚所見や検査所見は速やかに改善した。QFTの小児における臨床的有用性は現段階では明確になっていないが本例のように結核菌の証明が困難な症例において, 陽性と判明した場合の診断的意義は非常に大きいと考えられる。また, QFTはBCG接種の影響を受けないので, BCG接種を奨励しているわが国においてはツベルクリン反応以上に結核の診断に有用な場合があると考えられる。
  • 小児におけるQuantiFERON ® -TB Second Generation (QFT-2G) 検査の有用性の検討
    高松 勇
    2007 年18 巻2 号 p. 148-152
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • BCGを巡る話題と都道府県別小児結核診療医療機関
    岡田 賢司
    2007 年18 巻2 号 p. 153-169
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 上原 すゞ子
    2007 年18 巻2 号 p. 170
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
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