抄録
本研究は,プローブ刺激に対して反応を求めない無関連プローブ法を用いて,コンピュータゲーム課題に対して配分された注意容量を評価できるか検討した。8 名の大学生がゴーカートゲームを行っている間に,ゲームの操作への干渉を防ぐため, 電気プローブ刺激を参加者の両肩に呈示した。標準刺激が.80 の確率で一方の肩に,逸脱刺激が他方の肩に.20 の確率で呈示された。ゲーム課題が簡単な場合に比べ,難易度が高い課題を行っている場合に,逸脱刺激に対して生じた後期陽性波(P300) の振幅は減衰した。本研究は,複雑な作業環境において情報の入力や行動に干渉することなく,精神作業負荷を評価するための有用な方法を提案する。