抄録
I.P. Pavlovの86年の生涯と約60年におよぶ研究が,16編の資料に基づいて年譜の形式で70項目にわたって概観されている。Pavlovの研究には3つのテーマがあり,第1は1873-1883年に行われた膵臓及び心臓の神経支配の研究である。第2は1886-1901年に行われた消化腺活動に関する研究で,この研究に対して1904年にノーベル生理学・医学賞が授与された。最後の研究は1902-1935年にわたり行われた条件反射による大脳両半球の働きについての研究である。年譜には,Pavlovの研究に対して欧米・日本で行われた生理学および心理学的関連の研究61項目が対比されている。