抄録
隠匿情報検査では,被検査者が犯罪関連情報を認識しているかを調べる。本研究では,隠匿情報検査において,鼻尖部の皮膚血流量を測った。参加者20名が,犯罪関連項目を認識している条件としていない条件で隠匿情報検査を受けた。鼻尖血流量は,認識がある項目に対して,認識がない項目に対してよりも低下した。この鼻尖血流量の時間的な変化は,隠匿情報検査の既存の指標である指尖血流量とは異なっていた。また,鼻尖血流量により,各参加者の犯罪関連情報に対する認識の有無を有意に正しく判定できた。本研究の結果は,鼻尖血流量が隠匿情報検査の新たな指標になりうることを示している。