本研究は, 高齢者を対象に, ライフスタイルの意欲の高低と, 活動リズムの関係を調べた.社会的自信度とPGCモラール・スケール (Philadelphia Geriatric Center Morale Scale) により, 高齢者の意欲度を測定し, 意欲的なライフスタイル群 (高群 : 9名, 71.9歳) と意欲的ではない群 (低群 : 6名, 72.5歳) に分け, それぞれの活動量をアクティグラフを用いて連続10日間測定した.アクティグラフ装着中は, 同時に睡眠生活日誌の記録も行った.測定した活動量データを最小自乗スペクトル法で分析した結果, サーカディアソリズム (τ≒24hr) とサーカセミディアンリズム (τ=12hr) が存在することが両群で確かめられた.しかし, リズムの位相はサーカディアソリズム, サーカセミディアンリズムともに, 低群の方が高群よりも前進していた.また日中の活動性と仮眠の時間帯を比較した結果, 高群の高齢者は活動性が低下する時期に仮眠を開始し, 活動性が回復に向かう時期で仮眠を終了するため, 効率的に仮眠をとっていた.一方, 低群の被験者は活動リズムが回復に向かう時期に仮眠を開始するために, 効率的な仮眠がとれていないことが推測された.