生理心理学と精神生理学
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心理的カウンタメジャーがP3を指標に用いたGKTに及ぼす効果
佐々木 実
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2002 年 20 巻 1 号 p. 39-47

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抄録
本実験はP3を指標に用いたGKTに対する心理的カウンタメジャーの効果を検討した.28名の被験者が模擬窃盗に参加し, 引き出しに入った5つの貴金属のうち1つを盗んだ.被験者はカウンタメジャーを行う群 (CM群) とカウンタメジャーを行わない群 (NCM群) のいずれかにランダムに割り当てられた.本実験のGKTでは, 5つの貴金属がそれぞれCRT上に呈示され, 被験者は刺激が呈示されたらすぐにボタンを押すように教示された.さらに, CM群の被験者にだけ, 検査中200から7ずつ暗算で引き続けるように教示が与えられた.実験の結果, CzとPzで裁決刺激に対するP3振幅が小さくなっていたが, 非裁決刺激との振幅差は有意であった.検出成功率はCM群で50%, NCM群で79%であった.本実験の結果から, P3を指標に用いた虚偽検出はカウンタメジャーの影響を受けないことが示された.
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© 日本生理心理学会
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