基礎理学療法学
Online ISSN : 2436-6382
緩消法が腰部の筋緊張に与える影響
杉本 諭坂戸 孝志中山 知之古山 つや子古井田 真吾尾嵜 亮
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キーワード: 緩消法, 筋緊張, 理学療法
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論文ID: JJPTF_2023-17

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抄録

【目的】緩消法による筋緊張の緩和効果を検証し,緩和に最適な押圧力と押圧面積および個人特性との関連について分析すること。【方法】健常成人39名を対象とした。緩消法は対象者に端座位での随意的な体幹の側屈運動を5分間指示し,運動中に右腰背部に押圧棒を当てて行った。押圧力条件は,押圧なし,250g,500g,750g,1,000gとした。押圧面積条件は,押圧棒の押圧部の先端の直径が1cm,2cm,3cmとした。腰背部の筋硬度を運動前後で測定し,測定値および前後比を用いて条件内および条件間で比較した。加えて性別,BMI,運動前の筋硬度の影響についても分析した。【結果】押圧力条件別の前後比較では,押圧なしを除く4条件において運動後の測定値が有意に低下し,条件間の比較では,500gおよび750gの前後比が250gよりも有意に低下した。押圧面積条件別の前後比較では,いずれの条件においても運動後の測定値が有意に低下し,条件間の比較では,1cmおよび2cmの前後比が3cmよりも有意に低下した。性別,BMIおよび介入前の筋硬度は前後比と関連がなかった。【結論】緩消法による筋緊張の緩和効果がもっとも得られる条件は,押圧力が500~750g,押圧部の面積が直径1~2cmの場合であり,性別や体型の影響を受けなかった。

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