2022 年 23 巻 1 号 p. 19-27
本研究の目的は,赤十字系看護大学のディプロマ・ポリシー(以下,赤十字DP)の独自性と看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーとの連関を明らかにし,所属する看護学生として学ぶ意義(赤十字系看護大学の学生が,将来看護職として働くために,赤十字系看護大学で身につけることのできる能力)を考察することである.
分析方法は,KH Coder(Ver.3.0)を用いて計量テキスト分析の手法にて,赤十字DPの内容分析を行った.
分析の結果,赤十字DPは9つのカテゴリーが導き出され,その内容はコアコンピテンシーI~VI群を網羅していた.コアコンピテンシーには,「国内外」という記述はなく,赤十字DPの独自性であった.
赤十字系看護大学生として学ぶ意義は,「人道」などの赤十字の理念を体現化した教育を受け,行動で示すことができる看護職者になることであると考えられた.