日本赤十字看護学会誌
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研究報告
継続教育の一環として臨床看護研究を行った看護系大学出身の看護師の経験
茂野 香おる
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2023 年 24 巻 1 号 p. 97-107

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抄録

看護系大学卒の看護師が臨床看護研究を行った経験とその経験を本人がどのように意味づけているのか明らかにした.病院勤務する看護系大学卒の経験3~7年目の看護師6名に,エピソード・インタビューの手法を用い,1名につき8~17か月の期間,継続的に5~6回のインタビューを行った.Flickの分析方法を参考に,質的記述的に分析し,「大学の研究と臨床看護研究との差異に戸惑う」「戸惑いながらも自身が置かれた状況を受け止めようとする」「患者の看護に活かせる研究をしたい」「厳しい条件の中でも科学的な研究をしようと奮闘する」「探究心に突き動かされて研究にのめり込む」「チームにおける確固たる存在になっていく」「研究を通して自身の認識・行動の変化に気づく」の7つのテーマを抽出した.参加者は,研究の過程で自分の考えや行動を振り返り,能力を向上させた.こうした態度の基礎は,論理的思考と批判的思考を徹底させる大学での訓練で培われたと考えられた.

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© 2023 日本赤十字看護学会
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