2023 年 24 巻 1 号 p. 89-96
本研究は,夫婦の育児共同感を高める開業助産師の支援を明らかにすることを目的とした質的記述的研究である.関東圏内の開業助産師3名に半構成的面接を実施した結果,開業助産師は【継続的な関わりから夫婦を包括的に支える】中で信頼関係を築き,【子育て仲間として妻の心の拠り所になる】,【妻が今辛いと感じていることから解決する】,【夫婦に合った支援方法を模索する】関わりをしていた.また,夫婦の調整役となる中で,【夫婦だからこそ気持ちは言葉にする大切さを伝える】ことや,【夫に期待することを具体的に頼む】こと,【夫婦が互いに以前に比べて成長したことを称賛する】関わりをしていた.そして,児の成長を体感することが難しい夫には,妊婦健診や出産,育児指導の場で【夫が妊娠早期から胎児をイメージできる関わりをする】中で,【次世代の親準備性を育む】支援をしていた.