2023 年 24 巻 1 号 p. 108-118
背景:Rapid Response System(RRS)は,院内の予期せぬ心肺停止を予防することを目的に整備された.予兆があるにもかかわらず要請遅延や非要請であることは予後に影響があるとされ,看護師のRapid Response Team(RRT)要請に至る要因の解明が必須課題である.
目的:看護師のRRT要請に関連する要因の尺度開発に向けて質問項目を作成することである.
方法:複数施設の病棟看護師に対しインタビューを実施し,構成概念に基づき質問項目を作成した.
結果:抽出した項目を分類統合した結果,RRT要請に関連する要因は,環境要因の促進と障壁で【担当医の影響】,【部署の影響】,【RRTの影響】,個人要因の促進と障壁で【判断に影響する因子】,【専門知識・能力】,【個人特性】のカテゴリーとなり,全体で12カテゴリー,56サブカテゴリー,73項目で構成された.
結論:日本のRRSの現状をふまえた質問項目を抽出できた.本研究結果を元に,尺度開発を継続することを課題とする.