2025 年 26 巻 1 号 p. 1-10
本研究は,看護補助者への業務の委任における看護師の判断に関する国内外の文献を検討し,判断の特徴と日本における今後の課題を明らかにすることを目的とした.医学中央雑誌Web版(Ver.5),CINAHL, MEDLINE, PubMedを用いて期間は限定せずに検索を行い,基準を満たした文献は計16件(日本7件,国外9件)であった.看護師の判断は,委任の適否に関する判断,委任業務の選定に関する判断,委任に関する看護補助者とのかかわりに関する判断,委任した業務の責任の所在に関する判断,の4つに大別された.看護師の判断の内容は多岐にわたり,専門的判断の必要性や患者の利益,安全性を考慮して行われていた.
今後は,研究対象を広げ,委任の一連のプロセスにおける看護師の判断を明らかにする必要がある.