2025 年 26 巻 1 号 p. 56-63
本研究はRodgersの概念分析法を用い,我が国の親への移行期における夫婦の性別役割分業観の概念の構成要素を明確化することを目的とし,25文献を分析対象とした.結果,属性は4カテゴリー,先行要件は3カテゴリー,帰結は4カテゴリーが抽出された.よって,我が国の親への移行期における夫婦の性別役割分業観は,「夫婦の役割調整は性差によるかは明らかではないが,それは一定ではなく親への移行に伴い,夫婦を取り巻く状況が変化する度に互いの要求に差異が生じる役割調整が起き,性差によらない役割調整をしたり性差による役割調整をしたりしながら常に変化すること」と定義した.