蘇生
Online ISSN : 1884-748X
Print ISSN : 0288-4348
ISSN-L : 0288-4348
症例報告
異なる血管アプローチによるIABOで大動脈遮断を行った 腹部大動脈瘤破裂の2例
豊田 幸樹年鈴木 銀河渡辺 雅之一林 亮横室 浩樹本多 満
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 36 巻 2 号 p. 63-

詳細
抄録

 Intra-Aortic Balloon Occlusion(以下IABO)は横隔膜下の出血性ショックに対し使用される。今回我々は腹部大動脈瘤破裂に対し異なる血管を選択しIABOによる大動脈遮断を行った。(症例1)65歳男性,腹痛を訴え救急車を要請し,搬送中に心肺停止に移行した。理学所見及び腹部超音波検査により腹部大動脈瘤破裂と診断した。循環は極めて不安定であり右大腿動脈からIABOカテーテルを挿入し大動脈遮断を行った。(症例2)54歳女性,外出中に卒倒し,心肺停止の状態で当院救命救急センター搬送となった。CT所見から腹部大動脈瘤破裂と診断し,透視下に左上腕動脈からIABOカテーテルを挿入し大動脈遮断を行った。腹部大動脈瘤破裂の際のIABOによる大動脈遮断につき若干の文献的考察を含め報告する。

著者関連情報
© 2017 日本蘇生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top