蘇生
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症例報告
声帯筋電図電極付き気管チューブの抜管後に喉頭浮腫による上気道狭窄を認めた4例
勝田 哲史若松 弘也松田 憲昌藤原 康弘上田 晃志郎白源 清貴松本 聡松本 美志也
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2017 年 36 巻 2 号 p. 67-

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抄録

声帯筋電図電極付き気管チューブ(EMGチューブ)は,反回神経や舌咽神経を同定するために頭頸部の手術で使用されることがある。当院では2013年3月から2016年1月までEMGチューブを57例に使用し,4例(7.0%)に喉頭浮腫による上気道狭窄を認めた。4例の挿管時間は7~11時間であった。喉頭浮腫は保存的治療により術後1~13日で軽快した。頸部の伸展・回旋・側屈でチューブが曲げられEMGチューブの強い弾性力が喉頭に働くことが,浮腫の一因と考えられた。EMGチューブを使用した症例は挿管時間が長くなくても喉頭浮腫をきたす可能性があるため,術後の呼吸状態に注意し,再挿管を含む気道管理を考慮する必要がある。

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© 2017 日本蘇生学会
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