蘇生
Online ISSN : 1884-748X
Print ISSN : 0288-4348
ISSN-L : 0288-4348
術中偶発症例の検討
荒武 香寿兒嶋 四郎森本 真理子松本 聡佐伯 仁松田 憲昌田中 裕子米井 昭智
著者情報
キーワード: 麻酔, 心停止, 低血圧, 徐脈, 低酸素
ジャーナル フリー

2000 年 19 巻 1 号 p. 34-37

詳細
抄録

1994~98年の5年間に倉敷中央病院で行われた麻酔症例20, 616例で偶発症を検討した。偶発症の頻度 (/1万例) は, 心停止 (心室細動または心静止) 13.1, 高度低血圧 (s-BP<60mmHg) 136.8, 高度徐脈 (HR<40bpm) 66.9, 高度低酸素 (酸素化指数く80またはSpO2<90%) 26.7, その他13.6であった。麻酔が原因の偶発症頻度はそれぞれ1.9, 42.7, 23.8, 7.3, 1.9で, その発生時期は, 主に全身麻酔導入時 (61%) と脊椎麻酔後 (25%) であった。麻酔が原因の心停止は脊椎麻酔後によるものが75%であった。麻酔以外が原因の心停止は大量出血や心破裂などによるものが多く, 予後は不良であった。麻酔による偶発症を減少させるには, 全身麻酔導入時と脊椎麻酔後に注意することが重要と考えられた。

著者関連情報
© 日本蘇生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top