蘇生
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骨セメントにより心停止し, 蘇生できなかった100歳の1症例
川崎 一良星野 克信高橋 学川崎 由香里
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2000 年 19 巻 1 号 p. 38-40

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抄録

心疾患のある100歳女性の人工骨頭置換術の際に, 骨セメントが原因と思われる心停止を経験した。骨セメントによる循環虚脱の原因として, 空気, 脂肪塞栓, あるいは, セメントそのものの毒性, アレルギー反応などが言われている。原因が何であれ, 心疾患のある者や高齢者では, 骨セメントの使用により急激な血圧低下, 場合によっては心停止が生じる。したがって, このような患者の人工骨頭置換術では, 骨セメントの使用は極めて慎重でなければならず, できるかぎり避けるのが望ましい。

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© 日本蘇生学会
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