蘇生
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肝細胞癌切除手術中に肺塞栓を合併しショックとなった2例
武内 有城
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2006 年 25 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

肝細胞癌手術中に肝静脈からの血栓と空気の流入による肺塞栓ショック症例2例を経験したので報告する。症例1は70歳台男性で肝前後下区域の6.5cm肝細胞癌にて2002年9月に手術施行。肝切離中に突然ショックとなり, 肺塞栓を疑い手術中止。肺血流シンチにて右肺末梢の血流低下とTAE追加時に肝静脈内に血栓を確認。症例2は60歳台男性で肝前上区域の2cm肝細胞癌にて2003年4月手術施行。肝切離開始直後に末梢肝静脈よりの空気流入による肺塞栓にて手術中止。肺血流シンチにて左肺の血流低下を確認。肝細胞癌切除手術中の肺塞栓はショックを伴い非常に重篤となるため, 予防または発症後の適切な対応が重要である。

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