蘇生
Online ISSN : 1884-748X
Print ISSN : 0288-4348
ISSN-L : 0288-4348
帝王切開術後, 脳出血をきたしたが, 脳障害を残すことなく軽快したHELLP症候群の一例
原田 英宜大竹 一信山下 理中村 真之石田 和慶松田 憲昌坂部 武史
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 25 巻 1 号 p. 28-32

詳細
抄録

妊娠中毒症から病態が進行し, HELLP症候群 (Syndrome of hemolysis, elevated liver enzyme and low platelet) に子癇発作を合併した症例の帝王切開術を全身麻酔下に行なった。高血圧を合併し, 分娩後, 1日目に著明な血小板数低下を生じ, 脳出血をきたした。しかし, 出血部位が側脳室に接した尾状核で, 脳室に出血したため脳実質の圧迫が軽度であったことと, 血圧管理, 血小板管理エダラボン, フェニトインの投与により, 中枢神経障害を残さなかった。
HELLP症候群では, 分娩後も血小板の減少が続くため, 周術期を通して血小板数の維持, 血圧管理を含めた細心の全身管理が必要である。

著者関連情報
© 日本蘇生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top