2017 年 56 巻 2 号 p. 160-166
今回我々は,Killian approach軟骨保存法による鼻中隔矯正術後に安静時の鼻閉は改善するも斜鼻が増悪し,労作時の左鼻閉を訴え,open septorhinoplastyによる再手術を要した症例を経験した。機能的鼻閉の原因として鼻弁狭窄があることが再認識された。そして斜鼻が増悪したのは,鼻中隔軟骨切開により外鼻と鼻中隔との力の均衡がくずれたことが主な原因と推測した。鼻中隔矯正術の術式決定は,鼻中隔の形態のみから判断するのではなく,外鼻変形なども考慮し,鼻中隔と外鼻を一連のものとして矯正するべきと考える。