日本農村医学会雑誌
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独自のSPD (Supply, Processing and Distribution) システム導入による経費削減効果
圷 哲也市村 由美子杉山 貴男沢畑 博鈴木 修平
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2003 年 52 巻 4 号 p. 762-765

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抄録

近年の医療費抑制策や制度の変化に対応する経営改善ツールとして, 医療材料のSPDシステムを導入した。開始当時, 厚生連病院の中でSPDシステムの導入ははじめてであり, 業者においても最初であるため, 独自のシステムを構築することとなった。
預け在庫方式による定数在庫補充—棚管理方式とした。専任スタッフは病院職員1名, 業者専従が1名で行っている。導入に際しての条件は“現状のままの人員で低コスト”であった。システムの維持コストは, 5年リースで月額137,700円と廉価である。
結果として, 決算時の棚卸金額が約1,800万円削減できた。また, 収益増に対して医療材料の購入金額は前年度比マイナスとなった。各部署の品目数は初期と現在で計480品目増加しているが在庫金額は『0円』である。
特定保険医療材料のMO (光磁気ディスク) への取り込みは, 医事データとの照合により収支バランスを即チェックでき, 非常に役立っている。
2年6か月間の一時的在庫削減額と年間購入削減金額の合計は9,338万円である。医療材料の削減金額は, このように大幅なものとなった。

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© 2003 一般社団法人 日本農村医学会
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