日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
取手協同病院における感染対策委員会活動新マニュアルによる職員教育
佐藤 弘子菊地 幸代久保田 妙子
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2003 年 52 巻 4 号 p. 755-761

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抄録
当院における従来の感染対策マニュアルの活用状況を調査, 分析することで, 感染対策新マニュアルの作成を行った。それをもとに職員勉強会を実施, 感染対策への職員の意識づけを目的とした。
感染防止対策は医療の急速な発展, 高度化に伴い, 日々変化している。当院では早期より感染対策マニュアルを作成, 修正が行われてきたが, 活用されない現状があった。そこで, 従来のマニュアルの活用状況をアンケート調査 (n=447) し, マニュアルが活用されない原因を分析した。従来のマニュアルは, 古い, 分厚い, 読みづらいと不評であったが44.7%の人が活用していた。55.3%の活用していない人は, 見てもわからない, 必要時上司, 同僚に聞くと答えている。これらの分析結果をふまえ, 約6か月間を費やし, 理解しやすく, 活用しやすい新マニュアルを作成した。職員全員に1冊ずつ手渡し, 新マニュアルをもとに職員勉強会を実施した。新マニュアルの紹介, 院内感染の定義, ユニバーサルプレコーションについて, 手洗いの仕方, 手袋, マスクのつけ方の実技を行い知識の確認を行った。パネルディスカッション形式で行われた勉強会は出席者が多く, 感染対策への関心の高さを感じた。この勉強会を行ったことで職員の感染対策に対する意識を高めることができた。また, 新マニュアルを学ぶことにより全てのスタッフに院内感染防止の重要性を理解してもらうよい機会となった。
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© 2003 一般社団法人 日本農村医学会
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