日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
外来化学療法室開設後の1年間を顧みて
野村 昌代村尾 日都美寺田 英子
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2004 年 53 巻 2 号 p. 161-166

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抄録

最近のがん化学療法は, 入院期間の短縮と患者のQOLを重要視した治療の場の拡大が求められている。当院においても平成14年4月より化学療法専任チームを編成し外来化学療法室を開設した。専任スタッフによる治療や副作用パンフレット, 自己管理ノートなどの患者支援ツールを用いた患者指導を実施して1年が経過した。
外来化学療法室の年間延べ治療人数1,213名のうち, 利用した患者40名を対象にアンケート調査を行った。患者支援ツールの中で自己管理ノートを付けた27名の内22名は役に立ち, また, その中の17名は日記代わりに関心を抱いていた。副作用パンフレットについては活字に対する苦手意識から64%があまり利用しておらずパンフレットを見返しながら口頭での反復指導が必要であった。
看護師の役割は, 患者の満足度を高める因子でもあった相談役割が大きな役割であった。患者のQOLを維持あるいは高めていくためには専門的知識をもって多角的に患者を支援していくことが望ましいと考えられた。今後も患者の満足度が高められるように, より患者のニードに応えられるよう努力していきたい。

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© 2004 一般社団法人 日本農村医学会
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