日本農村医学会雑誌
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医療材料の適正在庫を目指した取り組み
――病棟訪問を通して――
佐藤 田鶴子三浦 貞子渡邊 美名子奥山 正也鳥前 永夫保科 敏彦齊藤 玉喜
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2007 年 56 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

 近年,度重なる診療報酬改定に伴い病院経営の状況は厳しさを増しており,当院に於いても効率的運営と経営改善の努力が必要となっている。看護部ではコスト管理の徹底と他部門との連携の強化を目標に挙げ,その具体的行動として医療材料の管理状況の点検と病棟在庫の適正化を目的に資材課・薬剤科と共に病棟訪問を行なった。その結果,収納方法の不備や物品の抱え込み,返還業務の不徹底等の状況が分かり改善を要した。定数の見直しと整理整頓の強化,返還方法等を指導したところ,質的には部門を超えた直接的交流が功を奏し在庫が整理されると共に,物品管理についての意識の高揚をもたらすことができ,量的にも年間の棚卸し戻し入れ金額を減少させることができた。今回の取り組みは,職員一人一人の経営参画意識を触発するきっかけとなり在庫管理の適正化につながったが,今後更に大きな成果を生む為には各部門がそれぞれの専門性を発揮しながら連携と協働を意識していくことが重要であると言える。

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© 2007 一般社団法人 日本農村医学会
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