日本農村医学会雑誌
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電子カルテ導入の効果と稼働後の取り組み
小泉 孝範谷川 浩隆
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2011 年 59 巻 5 号 p. 574-579

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抄録

 電子カルテシステムの稼働開始から1年4か月経過後に職員へのアンケート調査を実施し,電子カルテ導入による効果を検証した。導入については72%の職員が良かったと回答しており,高く評価されていた。業務の効率化については,負担が増えたという回答が23%であったが,約2倍の43%は負担が減ったとしており,病院全体としては効率化されたと考えられた。電子カルテ導入の効果としては,日々の診療で蓄積された膨大なデータからData Ware Houseシステムを使用して,多様なデータ抽出が可能となったことがあげられる。安曇総合病院ではこのシステムを,医療の質の評価を行なうための指標 (Quality Indicator) の集計や,診療科別原価計算の精度向上のために利用している。電子カルテの導入により,業務の効率化を追求するだけではなく,蓄積されたデータを分析し「医療の質の向上」や「病院経営の健全化」に活用することが可能となった。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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