日本農村医学会雑誌
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原著
緩和ケアチームスタッフの自己貢献度と, Support Team Assessment Schedule日本語版 (STAS-J) での介入前後における症状変化との関連
前向き観察研究
柴原 弘明村松 雅人西村 大作
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2014 年 63 巻 2 号 p. 114-120

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抄録

〔目的〕緩和ケアチームスタッフの自己貢献度と患者への効果を明らかにする。 〔対象と方法〕介入した患者への自己貢献度とSTAS-J症状版の介入前後の改善度を前向きに検討した。 〔結果〕自己貢献度では医師・看護師・臨床心理士・薬剤師は概ね高いが栄養士はやや低く, 年齢・性別・原発部位別・介入期間に関連がみられた。STAS-Jでは疼痛・嘔気嘔吐・食欲不振・不眠は改善, せん妄・抑うつは増悪した。自己貢献度とSTAS-J改善度では, 薬剤師は7項目に関連がみられたが他の職種は1項目のみであった。 〔考察〕自己貢献度には差があり, 介入しても必ずしも自己貢献度は高くなかった。個人の要素も大きいとは思われるが, 薬剤師は客観的な立場での評価や薬剤提案が可能であることが, 関連項目数の多い一因と考えられる。 〔結語〕各職種・個人の特性に基づいた活動を今後行なうことが望ましい。

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© 2014 一般社団法人 日本農村医学会
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