日本農村医学会雑誌
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研究報告
当院におけるde novo B型肝炎対策
ガイドラインへの適応調査
岩月 奈都久保田 勝俊山本 喜之中根 久美子粕谷 法仁植田 祐介鈴木 和人花之内 基夫
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2015 年 64 巻 1 号 p. 41-44

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抄録
 近年, HBs抗原陰性, HBs抗体もしくはHBc抗体陽性者のB型肝炎ウイルスが, 再活性化されることにより引き起こされるdenovoB型肝炎の重症化の報告がなされている。免疫抑制・化学療法患者が発症するdenovoB型肝炎は, 医療訴訟にまで発展することもあり, その対策として, 2009年1月に厚生労働省より『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン』が公表され, 2013年には日本肝臓病学会より『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン (改定版)』(以下ガイドライン) が公表され, 各施設での対応が急務とされている。当院でも, 化学療法委員会で協議され, 医療の安心・安全及び迅速化を提供するためHBc抗体の院内測定を実施することとなった。  調査期間中, HBc抗体が測定された理由は, 化学療法対象患者並びに免疫抑制剤使用患者, 輸血前感染症検査, ウイルス性肝炎検査であった。当院においても, ガイドラインに適応する症例は218例中15例あり, 通常の感染症スクリーニングでは見つけることの出来ないHBs抗原陰性かつHBc抗体陽性の患者は決して少なくない結果となった。  今後も免疫抑制・化学療法の対象患者は増加することが予想されるなか, 安心・安全な医療の提供の為にもガイドライン遵守の必要性が示唆された。
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© 2015 一般社団法人 日本農村医学会
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