日本農村医学会雑誌
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高齢者の前立腺肥大症
三宅 範明
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2016 年 65 巻 2 号 p. 153-159

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抄録
 前立腺肥大症は高齢者に多い疾患であるが加齢とともに発症頻度は増大する。前立腺肥大症診療ガイドラインに準じ診断,治療を行なう必要がある。重症度にもよるが一般的には薬物治療で治療は開始されることが多い。治療効果が不良な場合には外科的治療を検討する。外科的治療方法として長きにわたりゴールドスタンダードとされていた経尿道的前立腺切除術以外にもレーザーを用いた術式が開発され普及しつつある。加齢に伴い夜間頻尿に関連する転倒ひいては骨折発生率や死亡率が増大するとの報告もある。単に高齢であるという理由だけで外科的処置を躊躇すべきではない。一方,高齢者特有な術後合併症もあるため手術実施の決定は慎重に行なうべきである。年齢もひとつの因子とし総合的に勘案し個々の症例ごとに適切な治療方針を決定すべきである。
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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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