日本農村医学会雑誌
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研究報告
冠動脈バイパス術後1 年以内の通院患者におけるセルフケアとセルフモニタリングの実態および関連要因
緒方 久美子木下 幸代押川 麻美西尾 美登里
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2017 年 66 巻 2 号 p. 141-152

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抄録
 冠動脈バイパス術後1 年以内の通院患者におけるセルフケアとセルフモニタリングの実態および関連要因を明らかにし,看護師が行なう入院中の教育的支援に必要な要素を検討した。対象者に対し郵送法による無記名の自記式質問紙調査を実施し,各調査項目の単純集計および項目間のクロス集計を行なった。  対象者52名に郵送し,36名から回答を得た(回収率69.2%)。セルフモニタリングの実施率は,体重測定75.0%,血圧測定55.6%,自己検脈47.2%,歩数測定19.4%,食事内容の記録2.8%であった。実施しない理由として,測定用具を持っていない,必要性を感じない,記録することが大変・面倒である,の3 点が主要なものであった。セルフケア実施率上位3 項目は,“階段の昇降は自分のペースで行なう”,“食事で野菜をとる”,“時間に余裕を持って行動する”であった。  以上より,冠動脈バイパス手術後の患者に対し,入院中に看護師が行なう教育的支援に必要な要素として,体重や血圧,自己検脈の測定の頻度やタイミングなどの条件を明確に設定することや,自ら測定や記録を行なうことにより運動や食事のセルフケアの効果を実感し,継続できるよう支援することが重要と考える。
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© 2017 一般社団法人 日本農村医学会
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