日本農村医学会雑誌
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研究報告
当院薬剤部における新人教育の評価と課題
霞 聡子色川 正憲眞家 洋子井坂 敦子堀越 建一
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キーワード: 新人教育, 連絡票, 評価表
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2018 年 66 巻 5 号 p. 573-579

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抄録

 当院では近年薬剤部の業務拡大に伴い新任薬剤師の数が増えており,新人教育プログラムを確立し全ての新人に統一した指導を行なうことが必要となっている。そこで当院薬剤部では平成25年度から,新人研修における習得項目を列挙し,新人が達成した際にチェックする,新人研修評価表(以下:評価表)を使用している。また平成26年度からは,新人が業務の感想・質問等を記載し,指導者がコメントを記載する新採用職員連絡票(以下:連絡票)が導入された。今回,評価表と連絡票が有効に活用できているのか確認するため,両者を元に研修を行なった新人薬剤師及び指導担当薬剤師に記載内容や運用面に関するアンケートから評価を行なった。評価表に関して,新人・指導者共に,項目に理解度を記載し指導者に提示した方がよいとの意見が多く,理解度を把握し不十分な点を補完することで理解の徹底に繋がると考える。また薬学的知識を追加した方がよいとの回答が指導者に多く見られた。連絡票に関して,新人は記載することにより業務の振り返りとして有効であるとしており,効果が確認できた。指導者は新人の理解度の把握を重要視していた。連絡票と評価表とを関連付けて運用することにより,新人の理解度の把握は可能と考えられる。今回のアンケート結果から,記載内容や提出方法・提出間隔などの見直しをする必要はあるものの,連絡票・評価表ともに一定の効果を得られていることが確認された。

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© 2017 一般社団法人 日本農村医学会
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