日本農村医学会雑誌
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原著
介護と健康に関する集会に参加した地域住民の主観的健康感と関連要因
緒方 久美子西尾 美登里坂梨 左織古賀 佳代子
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2018 年 67 巻 4 号 p. 477-

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抄録

 地方の商業施設で開催された介護と健康に関する集会に参加した地域住民の主観的健康感と関連要因を明らかにした。参加者に無記名の自記式質問紙調査を実施し,403名から回答を得た。対象者は,健康群326名(80.9%),非健康群77名(19.1%)で,平均年齢は66.3±11.6歳であった。主観的健康感と有意な関係があったのは,年齢,禁煙,定期的な運動,日常生活の援助の必要性,情緒的サポート,心理状態であった。年齢別に非高齢者群と高齢者群で分析した結果,非高齢者群の主観的健康感はいずれの項目とも有意差が認められず,高齢者群では,禁煙,日常生活の援助の必要性,情緒的サポート,心理状態の4項目で有意差が認められた。特に高齢者においては,自立した生活を継続するために身体機能の維持・向上に努める必要があり,もし何らかの支援が必要になった場合はより心理的健康を維持するために,家族や地域社会との繋がりが継続できるような支援体制の構築が重要である。

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© 2018 一般社団法人 日本農村医学会
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