日本農村医学会雑誌
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症例報告
バラシクロビルにより急性尿細管間質性腎炎を発症した1例
篠原 宏美市川 裕平村上 穣大沢 紘介佐々本 格降籏 俊一塩澤 哲池添 正哉
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2019 年 68 巻 2 号 p. 180-184

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抄録

 患者は80歳代,女性。顔面の違和感,流涎が出現し,右顔面神経麻痺の診断で前医に入院した。入院時検査で,血清クレアチニン0.54mg/dL,推算糸球体濾過量79mL/min/1.73m2であることが確認された。入院後からバラシクロビル3,000mg/日の内服が開始されたが,その6日後より全身倦怠感,めまい,嘔吐が出現した。血清クレアチニン4.99mg/dLの急性腎障害に加えて軽度の意識障害が認められたことから,アシクロビル脳症の合併が疑われ当院腎臓内科に転院した。アシクロビル除去目的に3日連続で血液透析を施行し,意識レベルは清明となった。急性腎障害の原因検索目的で施行された腎生検により,アレルギー・免疫学的機序を介した急性尿細管間質性腎炎と確定診断された。退院後,腎機能は血清クレアチニン0.67mg/dLまで改善し,血液透析導入前の血中アシクロビル濃度が11.9μg/mLと異常高値であったことから,アシクロビル脳症に矛盾しないことが確認された。

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© 2019 一般社団法人 日本農村医学会
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