日本農村医学会雑誌
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症例報告
小腸腫瘍による腸重積との鑑別が困難であった椎茸による食餌性イレウスの1例
石井 政嗣大杉 頌子
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2019 年 68 巻 2 号 p. 192-197

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抄録

 症例は70代女性。来院2日前からの嘔気嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した。炎症反応の軽度上昇と腹部造影CT検査にて少量の腹水,腸閉塞,回腸に隆起性病変を伴う腸重積と思われる所見を認めた。血流障害を伴う小腸腫瘍による腸重積と診断し,同日腹腔鏡下イレウス解除術を施行した。回盲部より約40cmの漿膜面に充血を伴った小腸腫瘍と考えられる部位を認めたが,重積,重積の跡は認めなかった。病変部位を臍部創より体外に出し,腫瘍を露出しないように小腸部分切除術を施行した。術後に小腸を切開したところ,内部より椎茸が検出された。術後経過は良好であり,術後14日目に退院した。
 小腸腫瘍に伴う腸重積と術前診断したが,結果的に食餌性イレウスであった症例であり,鑑別診断を考えるうえで有用であると思われたので報告する。

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