2020 年 68 巻 5 号 p. 577-
頭痛を繰り返す小児の中で,通常の鎮痛剤やトリプタン製剤が奏功せず,また繰り返す頭痛のために学校からの早退や休学を余儀なくされたり,いじめの対象になってしまう例は少なくない。本研究では,平成30年の1年間に当院を受診した難治性頭痛のみが主訴の15歳以下の小児例の中で,CTあるいはMRIの画像検査で異常を認めない例を対象にした。この中で,脳波検査で異常波が出現していた30症例(男性19例,女性11例,4歳~15歳(平均年齢10.7歳)についてretrospectiveに検討し,診断及び治療,そしてその治療効果について分析し考察した。全30例中,抗てんかん薬での治療が奏功した症例は24例(80%)であり,奏功例においては全例で1~2週間以内に明らかな頭痛の改善が認められた。