日本農村医学会雑誌
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症例報告
シャント肢の中心静脈病変におけるCT検査の有用性
橋本 智史稲垣 秀司可児 裕介塚本 英人
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キーワード: 透析, PTA, CT
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2020 年 68 巻 5 号 p. 643-

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抄録

 糖尿病性腎症に起因する血液透析患者の増加と,維持透析患者の長期化に伴いVA(Vasucular Access)にかかわる合併症が増加している。なかでも中枢側静脈の狭窄または閉塞などの病変(中心静脈病変)に伴う静脈高血圧症は深刻な合併症の1つである。シャント肢の中心静脈病変により高度腫脹や透析困難な状況になると,かつて当院ではシャントを結紮し,他肢に新たなシャントを造設せざるを得なかった。しかし,この方法ではシャント作成可能な部位が少なくなってしまう。これに対して,PTA(percutaneous transliminal angioplasty)では,使用中のシャントが温存可能となり,静脈高血圧症におけるシャント肢の腫脹が改善可能となる。今回,中心静脈病変(内膜増殖による器質的狭窄と周囲臓器・病変からの圧迫による狭窄)の2症例を経験した。症例とともに当院での造影CTの検査方法を紹介する。

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© 2020 一般社団法人 日本農村医学会
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