2020 年 69 巻 2 号 p. 155-160
症例は52歳女性。下行結腸癌に対し腹腔鏡補助下下行結腸切除術を施行した。郭清はInferior Mesenteric Artery(以下,IMA)根部を温存した3群郭清で,再建は機能的端々吻合で行なった。術後1年の下部消化管内視鏡検査で吻合部に2型腫瘍を認め,吻合部再発と診断しIMAを根部切離する腹腔鏡補助下高位前方切除術を施行した。吻合部周囲の癒着が強かったが,直腸切離を先行し腹腔鏡下に完遂した。腫瘍は吻合部のstaple直上に存在し,病理検査結果と併せて初回手術時の吻合部再発と診断した。吻合部再発例に対し,再度の腹腔鏡手術を施行し得たので貴重な症例と考え報告する。