日本農村医学会雑誌
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症例報告
遺伝学的検査が臨床的に有用であった乳児けいれん・発作性舞踏アテトーゼ症候群の1例
高瀬 千尋白井 謙太朗渡辺 章充
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2020 年 69 巻 2 号 p. 161-164

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抄録
 家族性乳児けいれんと発作性舞踏アテトーシスの合併はICCA(Infantile convulsions and choreoathetosis)症候群として知られていたが,その多くがProline-rich transmembrane protein 2(PRRT2)遺伝子の病的多型が原因であることが明らかとなり,最近ではPRRT2-paroxysmal movement disordersという疾患概念に含まれるようになった。本症は常染色体優性遺伝疾患であり,疾患を来たす病的多型をヘテロ接合体で持つことが原因となる。我々は生後4か月時に無熱性けいれんを繰り返した乳児を経験し,父親も同様の既往があったことから本疾患を疑い,PRRT2遺伝子の解析を行なったところ,親子とも疾患原因として既報の1塩基挿入によるフレームシフト多型(c.640_641insC,p.R217Pfs*8)が検出された。本症は少量のcarbamazepineが著効することが知られており,患児のみならずてんかんと診断され長年,有効な治療がなされていなかった父親にも適切な治療を始める事ができた。適切な治療によるQOLの改善のため,また遺伝性疾患として家族への正しい情報提供のため本症の概念を念頭に置いた正確な診断が重要である。
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© 2020 一般社団法人 日本農村医学会
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