抄録
症例は86歳の男性。黄疸を主訴に当院を受診し,肝外胆管腫瘍による閉塞性黄疸と診断した。内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography。以下,ERCP)による胆道ドレナージを試みた。しかし,十二指腸乳頭が憩室縁に位置していたため,カテーテルの胆管挿管が不成功となり,右肋間より経皮経肝胆道ドレナージ(Percutaneous transhepatic biliary drainage。以下,PTBD)を施行した。翌日,ランデブーERCP手技を用いて胆管金属ステントを留置し,PTBDルートにもチューブを留置した。2日後,PTBD刺入部の疼痛が増強し,握雪感も認めた。CTで腹壁内気腫を認め,刺入部を中心とした腹壁蜂窩織炎と判断し,メロペネム投与を開始しPTBDチューブ抜去と切開排膿を施行した。膿培養からはKlebsiella oxytocaを検出し,腸管からの逆行性胆道感染により刺入部の蜂窩織炎を起こしたものと考えられた。その後は状態改善し,排膿処置の追加や腹壁のデブリードマンは必要とせず,ランデブーERCPから22日後に退院した。ランデブー法による胆管ステントを留置後の刺入部感染は,皮膚常在菌によるものだけではなく,腸管からの逆行性胆道感染によるものも想定し,抗生剤選択を含め,適切に対応を行なう必要がある。