日本農村医学会雑誌
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症例報告
精神疾患を背景とする低栄養に伴う感染性褥瘡に対して複合的なアプローチによる治療が有効であった1例
成島 道樹松永 晃直岡上 能斗竜知久 才穂子
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2020 年 69 巻 4 号 p. 411-

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抄録

 症例は79歳,女性で感染性褥瘡が増悪したため当院に紹介。背景にうつ病を有し,その治療薬による薬剤性嚥下機能障害がみられ著明な低栄養状態であった。褥瘡治療においては栄養状態の改善が望ましく,薬剤を調整することで経口摂取量が増え褥瘡も改善に向かった。また褥瘡の予防においては療養環境の整備が望ましく,退院後の療養先に関しては家族の介護負担や経済的を含めて検討することが重要である。今回,精神疾患を背景とする低栄養に伴う感染性褥瘡に対して,薬剤の副作用の観点・嚥下機能の観点・栄養管理の観点・療養環境の観点など複合的なアプローチによる治療が有効であった症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

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© 2020 一般社団法人 日本農村医学会
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