日本農村医学会雑誌
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症例報告
当院におけるCOVID-19 PCR陽性妊婦40例の対応
安藤 美貴子桃原 祥人嶋田 未知石川 郁乃瀬賀 雅康倉富 由理小野瀬 萌子谷田部 菜月秋田 真友梅木 英紀
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キーワード: COVID-19, 妊娠, 分娩
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2023 年 72 巻 2 号 p. 79-83

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抄録
 当院は第一種感染症指定医療機関であり妊娠35週以降の分娩を取り扱う地域周産期母子医療センターである。当院を受診したCOVID-19 PCR陽性妊婦40例について検討した。内訳は妊娠初期2例,中期7例,後期31例(37週以降18例)であった。当初は全例入院とし,2021年8月以降は軽症かつ37週未満の症例は自宅療養とした。入院とした症例は28例で,入院中に当院で分娩に至った症例は10例,うち帝王切開が1例,経腟分娩が9例だった。COVID-19が適応で妊娠終了を要した例は3例で,1例が緊急帝王切開,1例が34週のため他院に搬送し緊急帝王切開,1例は分娩誘発し経腟分娩となった。治療介入は5例だった。全症例を通じて医療従事者への2次感染はなかった。治療介入により症状が軽快する症例もあり,COVID-19症状,産科適応などを考慮し経腟分娩も選択できると考えられた。
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© 2023 一般社団法人 日本農村医学会
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