日本農村医学会雑誌
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原著
当院における院内迅速対応システム(Rapid Response system)導入の取り組みと課題
水元 亨久保 貞祐田渕 昭彦寺西 智史谷口 明子杉浦 真石川 真司山田 晋也鈴木 麻未佐伯 悟三濱石 華乃子山田 賢一細野 康彦吉永 恵度会 正人
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2025 年 73 巻 5 号 p. 425-433

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抄録
 院内であっても心停止に至ってからの介入では予後は極めて不良であり,院内心停止を減らすためには異常の早期認識と介入が必要である。
 本研究は,院内迅速対応システム(Rapid Response system:以下RRS)導入にむけて当院で行なった実態調査および周知活動前後での認知度の変化を評価することを目的とした。
 対象はNICUを除く全病棟とし,RRS要請基準の作成と実態調査,院内周知活動を行なった。要請基準として,1.呼吸,2.循環,3.意識状態,4.その他(何らかの懸念)の4項目とし1つでも該当すれば要請可とした。調査の方法としてカルテ記載内容からの要請基準記載内容の充足度と院内周知活動前後でのRSS認知度の変化を評価した。
 周知前調査では呼吸回数入力率が平均6.9%と低く,全病棟で呼吸回数の観察が不十分であることが判明したが,周知2か月後には68.2%に改善した。医師・看護師へのアンケート調査の結果,RRSの認知度は「よく知っている」「だいたい知っている」の合計で看護師では周知前34.8%が周知後には77.6%に,医師では63.4%から88.0%と有意な上昇が認められた。
 RRS導入に際しては,病院全体での取り組みであることを職員全体に周知することが重要である。要請基準は簡素化し,観察項目を徹底することで異常の早期認識につながると考えられた。医師に関しては理解を得ることが容易ではないため各科ごとのニーズや要望を聞き忍耐強く周知活動を行なった後に導入することが望ましく,導入後も継続的に周知活動が必要である。
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