日本農村医学会雑誌
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症例報告
発熱を認めず冠動脈瘤を来たした不全型川崎病の1例
下津 陽平中村 蓉子渡邉 友博渡部 誠一
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2025 年 73 巻 5 号 p. 461-466

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抄録
 川崎病の主要症状のうち発熱は99.5%に認めると報告されている。今回は発熱を認めず冠動脈瘤を来した症例を経験したので報告する。症例は8か月の男児。眼球結膜充血,BCG接種部位の発赤を認めたため第8病日に当科へ紹介された。川崎病症状は2症状のみで発熱を認めず経過観察していたが,第16病日に手指の膜様落屑を認めたため再度当科を受診した。心臓超音波検査で冠動脈瘤(#1 3.9mm(Z=6.68),#5 3.3mm(Z=4.96))を認め,不全型川崎病と診断した。抗血小板薬・抗凝固薬を導入し,心臓超音波検査でフォローしていた。1歳(発症3か月)で冠動脈造影検査を施行し,冠動脈瘤は#1 2.1mm(Z=2.12),#5 2.1mm(Z=1.33)と退縮していたため,抗凝固薬・抗血小板薬は中止して経過観察中である。
 発熱を認めず,ほかの症状がそろわない場合でも,眼球結膜充血とBCG接種部位の発赤の所見がある場合は,不全型川崎病の可能性を念頭に置いて積極的に冠動脈病変を検索するのが望ましい。
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