日本農村医学会雑誌
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研究報告
高齢者の非侵襲的な脱水判別方法の検討
─水分測定計による指標─
佐藤 恵戸井田 明日香鈴木 陽子
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2025 年 74 巻 4 号 p. 372-376

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抄録
 脱水症の身体症状に腋窩皮膚の乾燥がある。簡易皮膚水分計で腋窩水分を測定することが,看護師の脱水アセスメントの客観的指標になるかを検証するためにこの研究を行なった。対象は当院に緊急入院した65歳以上の患者86名である。身体所見として口腔内乾燥,ツルゴール反応,目のくぼみを観察し,毛細血管再充満時間と腋窩水分度を計測した。腋窩水分度の計測には市販の簡易皮膚水分計を用いた。血液検査で血清ナトリウム値,血糖値,尿素窒素,クレアチニン,推算糸球体濾過を調べ,血漿浸透圧を算出した。血漿浸透圧295mOsm/Lで脱水群と非脱水群の2群に分けた。脱水群で腋窩水分度が少なく,毛細血管再充満時間が遅延し,血液検査値でナトリウム,尿素窒素,クレアチニンが高かった。血漿浸透圧と腋窩水分度,血液検査値には整合性があった。測定精度が検証されていないという問題はあるが,簡易皮膚水分計による腋窩水分度の数値化は脱水症の看護アセスメントを客観化できる簡便な診断ツールとなりえる。
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© 2025 一般社団法人 日本農村医学会
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